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第三話 「曇り空の下、灯る小さな光」

第三話 「曇り空の下、灯る小さな光」

朝、曇り空の下で

朝、窓の外は霞んだ雲に覆われていた。
その鈍い光が、部屋いっぱいに静かに広がっている。

マグカップに注いだコーヒーから、湯気がふわりと立ち上る。
深呼吸ひとつ。
今日もまた、始まる。

パソコンを開くと、無数の通知音が空気を揺らした。

──「昨日のアポ、ダメだった……」

小さなため息が、文字になって届く。
その重みを胸の奥でそっと受け止める。

窓の外を見上げた。
遠い空の向こう、まだ見ぬ未来に思いを馳せながら。

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小さな迷い、そして決意

ミーティングルームに流れる、張りつめた空気。

言葉少なに交わされるやり取りの中、
一人ひとりが、それぞれの迷いと、決意を抱えていた。

リストに目を落とし、そっと手を伸ばす。

パソコンの画面に並ぶ番号を一つ選び、クリックする。
ワンクリックで、すぐに相手との通話が始まるシステムだ。

呼び出し音が静かに耳を満たしていく。
その間に、心の波をそっと整える。

この一件が、きっと。
小さな願いを、またひとつ重ねながら。

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支え合うチーム、届く言葉

昼休み、椅子に深くもたれ、そっと目を閉じた。

スマホの画面を指でなぞると、そこには推しからのメッセージ。

──「どんな時も、自分を信じて。」

それだけで、ふっと肩の力が抜けた。
世界が、少しだけ優しくなる気がした。

画面の向こうから届く仲間たちのスタンプにも、
温かいものがにじんでいる。

一人じゃない。
それだけで、もう十分。

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熱血スケジュール帳に刻むもの

午後、またパソコンに向かう。

リストをスクロールし、次の番号に指を伸ばす。
ワンクリック。
また始まる新しい会話。

架電ツールの画面を見つめながら、
小さな灯りが心の中でまたひとつ灯るのを感じた。

スケジュール帳のすみっこに、そっと書き添えた「ライブの日」。
それをちらりと見て、ほんの少しだけ、笑う。

すべての努力は、未来の笑顔に繋がっているんだ。
そう、信じて。

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そして、走り続ける

一日の終わり。

外はまだ曇り空のままだったけれど、
胸の中には、静かに光るものがあった。

推しの言葉、仲間の存在、
そして、今日一日を積み重ねた自分自身。

すべてが、ここにある。

スケジュール帳を閉じる音が、静かに部屋に響いた。
その余韻に包まれながら、私はふっと目を閉じる。

──次のライブの日、私はあの場所に立つ。
この手で掴んだチケットを握りしめて。

そう思うと、心の奥で、なにかがそっと弾けた。

また明日。
また一歩。

まだ、続いていく。
この熱血スケジュール帳とともに。

──完。

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